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「じゃあ続けるけど……次に佐伯な。コイツは水嶋が好きっていうより、水嶋に自分がべたべたしてみせると、憤慨したり嫌がったりする副会長や藤堂の反応を面白がってるだけみたいなんだよな。んで、橘は残念ながら水嶋が嫌いっぽくてな。仕事を増やす邪魔者ぐらいの認識みたいだ。最後は会長だけど……この人が一番よくわからないんだよな」
真樹が真剣に考え込むように、頬杖をついて紙を見つめる。その真剣さは他に活かせないのか。
「副会長と同じかと思いきや……昨日からいきなり態度改めちゃってさ……今は友達としてほどほどに…って感じだな。何があったんだろ…俺的には王道転校生くん総受けの中じゃ会長とのCPが最推しだからちょっと残念.........って、どうしたの、彰。何か顔怖いぞ」
"会長"という今一番聞きたくない言葉のせいで、俺の眉間に無意識に皺が寄る。
「……いえ、別に」
と答えると、真樹が俺を無言で見つめる。
「彰が何か不機嫌な理由ってさ……もしかして会長と関係アリ?」
「......いえ、全く」
「……更に言えばさ……さっきから気になってんだけど……その首筋のキスマークと会長は関係アリ?」
真樹に指摘され、想像もしていなかった言葉に思考が一瞬フリーズした。
「キス…マーク……?」
「あ、気づいてなかったのか。ほら鏡」
真樹に手渡された手鏡で首筋を確認すると、小さな赤い痣のようなものが一つあった。
……あの……野郎……!!!!!
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