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そして暑苦しい格好のまま過ごし続け、昼休み。
「ねぇねぇ、彰くーん」
「嫌です」
「ちょ、彰さん、まだ言ってませんが」
「貴方の言いそうな事くらいわかります。……どうせ、また学食に行きたいなどと言うつもりだったのでしょう?」
「だーい正解!という訳で俺と」
「嫌です」
「もー、彰冷たいー」
「学食に行きたいのは貴方ですよね?私は別に行く必要はありません。むしろ行きたくないです。...ならば貴方は私に無理を言って頼む立場。......それ相応の頼み方というものがあるのでは?」
「ぐ……まあ、確かに………………なら、お願いします。僕と一緒に学食に行ってください 」
そう言って真樹が深々と頭を下げてみせる。なので俺は
「嫌ですが」
「……え?断るの?断っちゃうの?だって今......俺が丁寧に頼んだ意味は?」
「どんな頼み方をされようと嫌なものは嫌です」
「は、話が違ーーう!!!な、なら何で今改めてさせたんだよ!?」
「貴方が勝手に勘違いし言い直したんでしょう。私は何も言っていません」
「……この……彰のS!鬼畜眼鏡!!」
真樹が俺をぽかぽかと殴ってくる。俺は頼み方があるだろうと言っただけで、改めたら行ってやるなんて一言も言ってない。早とちりするのが悪い。
……だがあまりにしつこくうじうじしている真樹がすごくうっとうしい。ぶつぶつ呟いてんのもうざいし。
「……わかりました。行ってあげますよ」
「!!……本当に!?」
「ええ。大変不本意ですがしょうがなi」
「やったー!!」
いきなり真樹が俺の首に飛び付いてきたせいで、首がいてぇ。男がいちいちスキンシップをとるなよ気持ち悪い。
「彰大好き!愛してる!!」
「気持ち悪いです」
「そんなつれない所も好き!!」
「胸糞悪いです」
「そこまで!?」
そしてやけにテンションが上がった真樹と2人で
学食へ向かった。
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