日常微変化

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そんな俺を見つめる会長は何かを決心したように唇を固く結ぶと、辺りにいる生徒達の方を向いた。 「……会長?一体何を」 「……ここにいる親衛隊隊長の鳴海にまつわる噂は全てデタラメだ。俺が保証する。…だから…今後鳴海に対して何か言ったりしてみろ…俺の持ち得るあらゆる金とコネでソイツを潰してやる……覚悟しとけ!!!」 声を張って周りに言い放った会長は、俺の顔を一瞥すると何も言わずに立ち去っていった。 会長の去った学食では興奮覚めやらずといった感じで、会長がいた時より騒がしくなった。 「あーきらっ……会長、ただの嫌なヤツじゃなかったじゃん?」 そんな中、真樹がいつも通りのにやけた顔で俺を見つめる。 「……うるさいですよ」 ……すごく腹が立つし認めたくはないが、確かに……会長は学園のトップにふさわしい人間……なのかもしれない。 自分の過ちを認め、謝る事は簡単なようでいて意外と難しい。あんなプライドの高い人間は特にだ。 そんな中、こんな大勢の前で謝罪をした会長。曲がりなりにもこの学園のトップ……だったらしい。 ただ、だからといってどうにかなる訳じゃないが。まあ、ただの嫌なヤツではないとはわかった。 だが、嫌いなモノは嫌いだ。腹が立つし、あの野郎。 俺はやり場の無くなった会長に対する怒りをもて余しながら、頼んでいた料理の咀嚼を再び開始した。 そんな俺の心情を察してか、心底楽しそうにニヤニヤとした笑みを浮かべる真樹も、向かい側で料理を食べ始めたのだった。
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