日常微変化

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~生徒会長 伊吹怜side~ 珍しく廊下を1人で歩く俺は、大事な用事があって学食へ向かっている。 歩みを進めるごとに辺りに起きる歓声はつまらないくらいにいつも通りだ。 自分の顔が老若男女問わず受けがいい事くらい理解しているし、騒がれるのは嫌いじゃないが、外面だけを見て判断されるのは好きじゃない。 学食に到着し、辺りを見回す。探しているのはただ1人。 生徒達が歓声をあげようとするのを、指を口元に当てる仕草で静止させる。 しばらく歩き、あらかじめ見当をつけておいた場所に向かう。 俺達生徒会がいつも座る場所……から一番離れている席。そこにいるに違いない。 …………いた。たくさん似たような生徒がいる中、何故か人目を引く黒色の髪。 ソイツの後ろに立つと、向かいにいたヤツが俺に気付き声をあげる。……俺を見たら、コイツはどんな反応をするだろうか。 声に反応したように振り返ったのは…昨日と変わらない、眼鏡越しでもハッキリわかる綺麗な整った鳴海の顔。 俺を認識した途端にあからさまに顔をしかめる鳴海に、普段なら感じないであろう高揚さえ感じた。 「…っ…バ会長…!!」 「昨日ぶりだなァ、鳴海?」 「…何の事を言っているのかわかりませんね。私は昨日貴方とお会いしていませんが」 そう言って俺を睨み付ける鳴海。なるほど、惚けるつもりか。
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