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そして次の日、早朝。転校生はどうやら副会長が案内するらしく、早速正門前に向かっているらしい。
......初日から生徒会を絡ませるとか......もう少し考えろよ、畜生......後で迷惑被るの俺だぞ。
窓の外を眺めながらため息をつくと、横でそわそわしていた真樹が急に立ち上がった。
「やややや、やっぱりこうしちゃおれん!!副会長と王道くんの絡みがあるのは確定済みなのに、腐男子である俺が見に行かなくていいのか?答えは否!行かねばならぬ!!でなきゃ腐男子の名が廃るってものだ、そうだろ彰っ!!!」
「......何故私に振るんですか......そんなに見たいなら見に行ってきてはどうですか?......貴方一人で」
「寂しい事言うなよ、彰ぁっ!!俺達いつでもどこでも一心同体っ、どこに行くにも一緒だよって約束しただろ!?」
「見に覚えのない約束を勝手にとりつけないでください。私は行きませんからね。自分から面倒事に飛び込む趣味はありませんので」
「何だよ冷たいぞっ?!ぼっちは嫌なんだよ、寂しいんだよ、死んじゃうんだぞ!?」
「兎ですか貴方は」
「や、やだ......兎だなんて......俺そんなに可愛い?」
真樹が急に照れたように顔を赤らめる。.........マジで殴っていいか、これ。
......しかし俺が行かなければ真樹は延々とここで騒ぎ続けるだろう。
それは避けたい。コイツの言ってる事は俺には理解不能だが、周りのヤツらをドン引きさせるくらいの力は持ってるしな...
コイツと同類という噂まで広まったら流石に死にたくなる。
「.........仕方ないですね。じゃあ、行っ」
「よっしゃ行くぜ、彰ぁーっ!!!」
真樹は俺の腕をひっ掴み全力疾走。てめぇ、こっちは今話してたろ!?
そのまま強引に、目を爛々と輝かせる真樹にトップスピードで強制連行された。
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