日常微変化

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~親衛隊隊長鳴海彰side~ 会長が学食から去ってしばらく経ち、俺はいつものように屋上に来ていた。 前日会長のせいで眠れなかったため、眠気が襲って来る。 フェンスに寄りかかり気を抜くと、今にも閉じてしまいそうな瞼に必死に抗う。 春独特のこの形容しがたい、えもいわれぬふわふわとした日和。 眠くなって当然だ。……その上、俺は寝不足だからな。 そのまま俺が抵抗するのを諦め、次第にまどろみに意識をとらわれかけていた時。 「……い……………み!!」 声が聞こえた。あまり耳慣れない声に、一体誰かと薄れ行く意識の中考えた。 そしてその声の主の正体に気づいた途端、意識が一気に現実に戻ってくるのを感じた。 「…………聞いてんのかよ、てめぇ」 「……………藤堂…さん?」 会計の藤堂陸だった。普段なら転校生に付き従っているはずだ。だが、今藤堂は俺を不機嫌そうな顔で見下ろしている。 「…………何かご用でも?」 安らぎの一時を邪魔された上に相手が相手なので、俺の声も自然と不機嫌なものになる。 「惚けんな!!怜に何をした!?さっき、お前に頭下げてだろ!!お前、怜に一体何をしやがった!!」 …………ちょっと待て、それはおかしくないか。 頭を下げてたのがあっちなら、何かしたのもあっちに決まってんだろうが。何なんだよコイツバカなのか? 「……私は何もしていませんが」 「……じゃあ、何で怜がお前なんかに頭下げるんだよ」 「知りません。会長の考えなんて知らないし、知りたくもないので。時間の無駄なので、下らない会話をもちかけないでいただけませんか」 俺の事を散々嫌いだと罵っておきながら、気に入ったと言ってきたり、変な事をしてきたり。 それにさっきの謝罪。訳がわからない。会長は何がしたいんだ。俺に何を求めてんだ。 今さら、俺に利用価値があるとみなし、取り入ろうとしている?……ダメだ、考えれば考えるほどますますわからない。 会長の不可解な言動に大分参っていた俺は、つい藤堂に本音を漏らした。
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