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「隊長サンが生徒会について言ってる所から聞きたいなぁー」
「先程何やら話していたようですが、よく聞こえなかったので」
「やっだー、副会長耳遠いー」
「うるさいですよ!」
「......何度でも言いましょう。私は貴方達が嫌いです。...周りが自分達に好意を向けるのが当たり前だと思っているくせに、いざ自分達に好意が向けられると拒絶する。自分達は平気で人を拒絶するくせに自分達は拒絶される苦しみを知らない。身勝手で、まるで子どもです。いつまでもバカらしい事に他者を巻き込まないでください。迷惑です」
一息にそう言うと、三人が共に目を見開いて固まった。
......誰かに拒絶される気持ちを知ればいい。
それが例え自分が心底嫌っている相手からだとしても、自分という存在を否定されて多少なりとも感じる所はあるだろう。
「自分が皆に好かれるのは自分の家柄、外見のせいだから許せない?上辺だけで判断されたくない?…何を甘えた事を。そんなに家が嫌いなら家出でもしたらどうです?それか、親子の縁でも切ってもらっては?」
「.........そん、な、事.........」
「それができないのは、貴方達が結局家がないと生きていけないからなんでしょう?家を疎ましく思うのに、何故家の恩恵を受け続けるんですか。矛盾していると気づかないんですか?」
「.........」
「自分に都合がいいように自分の世界を見続けるのはさぞ楽しい事でしょうね。楽しいですか?自分に好意を向ける人をぞんざいに扱うのは。悲しいですか?自分自身を見てもらえないのは。.........それを他者に一方的に求めるのは間違いです」
「.........だったら、どう、すれば、いいとおっしゃるんですか.........」
「...理解してほしければ自分から歩み寄ればいい。家柄や身分で値踏みされたくないなら断ち切ればいい。もしくは超えればいい。自分では努力もせず、ただ全部周りのせいにして自分の殻に引きこもっているうちは何も変わりません。変わりたいなら、自分で変えなさい。行動を起こさない限り貴方達は永遠に一人ですよ」
そこまで言った時には、三人は黙って唇を噛み締めていた。何かを考えているような、動揺を滲ませた瞳をまっすぐ見据える。
「あと、一応言っておきますが私は会長の事も嫌いですからね。……まあ、自分で過ちに気づいたので貴方達よりはほんの少しだけマシですが」
はっきりと告げた。これ以上会長を好きだと思われるのは我慢できない。今のうちに言っておきたい事を全部言う事にした。
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