日常微変化

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「……貴方達、転校生が来てから生徒会の仕事を疎かにしているでしょう。人を好きになる事について文句はありません。ですが自分のやるべき事もしないのでは話は別です。挙げ句の果てには、橘さん一人に片付けさせている上に、それすらも妨害するなんて言語道断です。生徒会ともあろうものがその体たらく恥ずかしくないのですか。…恥を知りなさい」 そして俺はそこで一旦区切り、改めて息を吸い、また口を開く。 「わかったら、今すぐ橘さんに謝罪したのちに溜まった仕事を再開しなさい。しばらくは橘さんの分までこなすべきでしょう。……ああ、一応言っておきますが、謝罪もせずに今と同じ状況を続けてみなさい。その時は問答無用で生徒会から退いていただきますから。生徒会に役立たずは必要ないんですよ。今、自分が言われてる事…理解できますよね?それくらいなら頭を働かせられますよね?………もう、いいですよね?それともまだ言われ足りませんか?足りないのでしたら、どうぞいつでもおっしゃってください。…………それでは私はこれで」 自分の言いたい事を粗方吐き出した俺は、未だに固まっている間抜け共をスルーして教室へ向けて歩き出した。 途中、言い返しにでも来るかと思ったが、後を追ってくる者はいなかった。
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