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それを恐れれば恐れるほど、人付き合いが怖くなって関係はどんどん浅くなっていった。
今では殆ど身体の関係だけ。それが一番楽で傷つかなくて済むから。
俺の見た目だけを見て、そういう関係になりたがる子は結構いっぱいいる。
でもね、実は俺はね、別に身体だけの関係なんていらないんだ。
そういう行為を魅力的には思えないし、ただただ自分の、溜まって吐き出せないストレスを発散するだけ。
だから、全然気持ちよくなんかなくて。
俺の下で喘ぐ名前も知らない子を見るたびに冷めた気持ちになっていった。
でもそんな事はおくびにも出さずに、自分もさも感じているようなフリをして。
...そんなに辛いならそんな関係やめろよって思うかな?普通に、仲良くすればいいだろって。体の関係なんてやめろよって。
でも、体...快楽っていう、俺が唯一与えられる物を無くしても、皆は今と変わらず俺を愛してくれるの...?
俺の事受け入れて、好きだって、そばに居たい...って、言ってくれるの?
何も持たない俺を、愛してくれる...?......愛して、くれない、でしょ?
怖いんだ。本当は俺は何も持ってないんだって知られたらどうしよう、捨てられたらどうしようって、ずっとずっと怯えてる。
だから、俺は皆が望む事なら全部やってあげなくちゃダメなんだ。......じゃないと、ありのままの俺じゃ......何も無い俺は、愛してもらえないから。
...そう、思うのに。そう思ってしまうのに、そんな汚い事をする自分の事は許せなくて、辛かった。
そういう事を重ねるたびに心はどんどん冷えきって、今じゃもう本心から言葉を紡ぐ事もできなくなっちゃった。
自分が嫌いで、歯痒くて、そうなったのは全部周りのせいだって責任転嫁して。
だから、転校生が来た時だって、ただ周りにノッただけ。
でも雪ちゃんは副会長を殴ったり、会長にもなびかなかったりで、普通とはちょっと違った。
もしかしたらこの子なら……って思ったけどダメだった。
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