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頼んでしばらくして到着したパンケーキを食べようとして、ふと視線を感じて顔をあげた。
いつの間にか目の前の席に久我が移動してきていた。
「何故移動しているんですか、久我さん」
「一人で食べるのは寂しくてな。……いけないのか?」
「…………うるさくしないでくださいね」
久我の声と目には、何か人を従わせるような力がある気がする。……我ながらバカみたいな考えだな。
「ああ、もちろん。…にしても…お前がそんなモノを食べるとは意外だな……甘い物が好きなのか?」
「……だったら何か?」
久我を睨み付けつつそう問い返す。うるさくすんなって言ってんのに何でこんな話しかけてくるんだコイツ。
「……ふ……いや、可愛らしくていいと思うぞ。お前らしい」
なんて微笑を浮かべながら言われた。絶対バカにしてやがるな?
「……何なんですか、先程から」
黙って食べる俺をずっと眺めている久我。視線が痛いんだよ。つうかお前のは尚更痛いんだよ。
「気にする事はない」
「だったら見ないでください。心底不愉快です」
「俺は楽しいが?」
「…………もういいです」
コイツには何を言っても無駄だろうと諦めた。とっとと食って出ていけばいいだけの話だ。
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