日常微変化

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「……にしても、鳴海がサボりとは珍しいな」 「そういう久我さんはまた仕事を?」 「ああ。転校生が色々と、な」 水嶋がまた何かやってんのか。懲りねぇな、アイツも…… 「今までは生徒会の親衛隊絡みだったんだがな……アイツが変装をやめてからそちら関係は無くなったんだが、今度は逆にアイツに親衛隊ができたらしい。ソイツらがマナーが悪くて困っている。……どうやら転校生を襲ってやろうと企てているバカ共がいるらしくてな。そんなものは適当に身近で同意の元で済ませればいいものを、迷惑な話だ」 水嶋の親衛隊が水嶋を?随分と歪んだ愛情だな。とは思うものの、自分に関係がない事なのでさして何か感じるでもなく、コーヒーを啜った。 「……それにしても……好きな相手を痛め付けたいだなんて変わっていますね……好き、という感情はよくわかりませんが、そんなに歪んだものなのでしょうか?好きな相手を殴ったりして楽しいと?……まったくもって理解できませんね」 そう呟くと、何故か久我がびっくりしたような顔でこちらを見ている。 どうしてそんな顔をされるのかわからず、思わず俺も久我を見つめ返した。 今、俺は何か変な事言ったか…?と思い返して見るが、心当たりがない。何だ、じゃあ何でなんだ? 「…………何か?」 耐えきれずそう尋ねると、久我が次第に顔を歪ませ、破顔した。 「……ふ……ははははははははっ!!」 かと思えばいきなり声をあげて笑い始めた。何だよ、頭どうかしたのか。
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