油断大敵

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廊下を1人で歩くと、道すがらすれ違う親衛隊のヤツらが挨拶をしてくる。 俺の事は嫌いだけど、隊長だからしなきゃならねぇってか。可哀想だな。 まあ、関係ないけど。 …………暇……だな。 …しょうがねぇな、仕事でもするか。親衛隊室にでも閉じ籠ってれば、誰とも会わねぇだろ。 そう思い立った俺は気が進まないまま、親衛隊室に向かった。 静かな親衛隊室内に、俺がパソコンを扱う音だけが響く。……静かだと落ち着くな。 面倒だが、生徒会についての記録をつけたりするのも仕事だ。最近の生徒会……?……相変わらずいけすかない。そんだけだ。 「彰ーーっ!!」 「……真樹……?……というか、貴方、何度も言いましたが何故当たり前のようにここに入ってきているんですか」 「屋上での絡み……拝見させていただいたよ、明智くん!!」 ……テンション高、じゃねぇ、見てたのか……? 「会長をオトしたかと思えば、次は一気に残りの生徒会メンバーをオトしにかかるとは……志が高いなぁ、ワトソンくんや」 「誰がワトソンですか。せめて統一なさい。……それに、私は会長や生徒会の皆さんを落としたりしてませんよ?あんな大きい人達、まず持ち上げられませんし」 呆れたように呟くと、真樹がきょとんしたような顔をしてこっちを見る。 …………この顔、最近どこかで見たような…… 「「……?」」 二人して、意味がわからないというような顔で顔を見合わせた。……間抜けだな。
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