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「っ、彰、伏せろっ!!」
いきなり真樹に腕を引かれ、地面に倒れかけた。
「っ......てぇ......いきなり何」
「しーーーっ!!転校生来た!」
そう言われ、体勢を整えてから正門付近をもう一度見ると、そこにはもさい物体が。
「......確かに変装だとわかる筈です」
様子を窺うと、どうやら転校生は門が開かないので中に入れず困っているようだ。
さっきから、門を揺らしたり、蹴ったりと手荒だし。
「あれはいけませんね......」
「クソ、何やってんだよ.....副会長、早く出てこいやぁ!絡みを早く!!俺に!!」
という真樹の願いが通じたのかわからないが、次の瞬間本当に副会長が現れた。それと転校生が門を飛び越したのはほぼ同じタイミングで。
言わずともわかるだろうが、転校生は副会長の上に落ちた。
「うわあぁあっ!?ど、どいてくれぇっ!!」
「なっ、何」
そして現在。二人で痛みに苦しんでいる。...何か笑えるな。
「っつ......おや、貴方が転校生の水嶋雪くんですか?はじめまして、私は副会長の行永茜です。どうぞよろしく。今日は校内の案内を」
「なあ、嘘臭い笑顔すんなよ。見てて苦しいから」
「......っ!!!!!!」
転校生の不躾な言葉に固まる副会長。かと思えばいきなり嬉しそうに微笑んだ。
「......ふふ.......私の作り笑顔を見抜いたのは貴方が初めてですよ......雪」
と言うなり、転校生にキスをした。
......ちょっと待て、なんだこれ......ギャグか?急展開に着いていけない。いや、着いていきたくない。
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