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ディスプレイからの光で一瞬目が痛んで、それを抑え込むように目頭を押さえた。
目がここまで疲労を感じるほど、仕事に没頭していた自分に少し驚いた。
「……彰、大丈夫か?目が疲れたのか?」
「……みたいです」
「……ああ、こんな時に会長とかがいたら……『その目、治してやろうか…?』とか言いながら瞼に優しくキスしてくれるだろうに……!」
いきなり真樹が悔しげにそう呟くのを、冷めた目で見つめた。
「冗談じゃありません。もしそのような事をされたら、いえ、されそうになったら不快感で目が腐り落ちてしまいます」
「相変わらずな物言いにときめくぜ!!」
「心底気持ち悪いです今すぐ爆発するか蒸発するか消滅するかしてください不愉快です」
「俺が死ぬ一択!?」
そして拗ねた真樹が親衛隊室の隅でなめこを栽培し始めたが、やっぱりスルーした。構ったら調子に乗るからな。
それにアイツどうせすぐ立ち直るし。バカだから。構うだけ俺の労力と時間と精神力の無駄だ。
真樹から視線を外した俺は、すっかり冷えきったコーヒーを口に含んだ。
「……はぁーあ……彰は冷たいしなめこは育つし……鬱になるぜ」
尚もうじうじしている真樹がボソボソと呟きながら、恨みがましい目付きで見つめてくる。
うるせぇな、普通に接してんだろうが。つかなめこが育つのはお前が餌やったりとかしてるからだろうが。
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