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道を歩きがてら、見つけた和菓子屋で団子を買って、近場にあった公園のベンチに腰をおろす。
最近起こる学校での出来事をふと思い返し、嫌な気持ちになってきた。
…………そうだ、そもそも全ての元凶はあの転校生の水嶋じゃねぇか。
アイツが来てからろくな事がないし、むしろ最悪だ。
……アイツが来なきゃ、生徒会と接する事もなかったってのに……
イライラしながら団子を食べていると、ふと視線を感じた。
目を向けると、そこにいたのは小さな子どもだった。……何だコイツ。
期待したような目で俺を……いや、団子を見ている。
「……散れ。お前にやるモノはねぇから」
そう言って追い払うように手を振ると、目に見えて悲しそうな顔をして、泣き出しそうなくらいに 顔を歪めた。
……これだから、子どもは嫌いなんだよ。泣きさえすれば何でも自分の思い通りにいくと思ってやがる。
俺は泣き出しそうな子どもから視線を外し、団子をまた食べだした。
すると、どうやらもらえないらしいと察したのか、子どもが目の前から動き始めた。
端からやるつもりはないんだから、さっさとどっか行けばいいのによ……
…普段食べたりしないけど、結構旨いな。
そんなどうでもいい事を考えていたとき。どこかで子どもの泣き声が聞こえた。
どうやら転んだらしく、地面に突っ伏したままピーピー泣いている。
……大丈夫か、オイ……そう思った時、ふいに聞こえたタイヤの擦れるような音。
一直線にこっちに……いや子どもに向かってくる車が見えた。
………待て………ドライバーは何してやがる……?……子どもが見えねぇのか…!?
つか、ここ車道じゃねぇぞ!……なのに、何で……
…………冗談だろ…………ッ……!?
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