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「いやいや、俺もやるって!!」
「大丈夫だと言っているでしょう」
「だから………………はあ…………本っ当に彰って、人を頼るって事を知らないよな」
「頼る?……何故頼る必要が?」
「……彰はそれが素だもんな……まあ、そこら辺は生徒会とか他の誰かが追々教えていってくれる事に期待しますか……これから先彰は色んな人に出会って、きっと今とは全く変わっていくだろうから、な」
……ここで何で生徒会が出てくるんだ?つうか、俺が変わる?何言ってんだコイツ。
幸い、真樹が買い占めてきた道具のお陰で全部終える分は足りそうだ。
……流石に左腕はしにくくて、巻いた包帯がよれよれになったが、まあいいか。
「………………ああもう、やっぱり見てられない!……彰!」
急に何かを決意したような真樹が声を出したのに気をとられた時、巻いたばかりの包帯をほどかれた。
「真樹、何を」
「いいから黙って俺にやらせなさい!どうしても嫌ならこの左腕だけでいいから!……彰の手つき、危なっかしくて見てられないんだよ……」
そう言いながら、手際よく俺の腕に巻き付けていく真樹。少しすると、綺麗な仕上がりに。
「見たか、この美しさ!……彰はもっと人に頼るって事を覚えなさい」
「何でそんな」
「俺達は友達だろ?……友達ってのはお互いが足りない所を補いあったり、困ってる時に支え合ったりしていくものなの!……彰、時々危なっかしいんだよ……頼ってくれなきゃ、俺が傍にいる意味がないだろ……何のためにつるんでんだ、バカ!」
真樹が何故怒っているのか全くわからなかった。だけど、自分が何かしてしまったんだとは思った。
「……すみま、せん……でした……」
「……え?……あ、いや、別に謝ってほしいとかじゃなくて…………あー、もう……わかった、俺も悪かったから……」
そう言って、何故かうっすら顔を赤らめた真樹が、俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
「…………彰って時々すごい素直だから、反応に困るんだよな……」
真樹が何かボソッと呟いたが、俺の耳までは届かなかった。
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