油断大敵

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それから、正門前に到着してみれば、怒鳴り声や罵声など色々汚い言葉が飛び交っていた。 水嶋と藤堂が何とか落ち着かせようとしているのが見える。 だが水嶋を前にしたヤツらは過激さを増している気がする。 ここをおさめるべきなのは生徒会だ。じゃなきゃ他の生徒に示しがつかないからな。 しばらく生徒会の到着を待っていると、会長を先頭に生徒会メンバーがやって来た。 「……何をしている」 「誰だよてめぇ!」 「俺はこの学園で会長をしている者だ。……この場から引き取ってもらえないか」 「はあ!?何ふざけた事言ってんだよてめぇ!!いいからそこの光姫渡せっつってんだろぉがよ!!用があんのはそこのヤツだけだ!!!」 「……雪は渡せない。俺にはこの学園の生徒を守る義務がある」 「綺麗事ほざいてんじゃねぇぞ優男がよぉ!!」 「……だから、ここは大人しく引き取ってもらえないかと言っている」 「いいから渡せっつってんだろぉが!!!」 …………本当にあの会長使えねぇな……それに、今日のアイツ…何かいつにもまして変だろ。何であんな上の空なんだ? ……それよりもそろそろヤバいか……暴徒化したヤツらが今にも正門乗り越えてきそうだ。 そこで俺は手元のノートパソコンを操作する。 「とっとと光姫を、……って、な…んだよこれ!!?」 正門が音をたてて動き、幾重にも壁が連なり元よりも強固になった。 これは理事長にいざという時に使えと言われた防犯システムだ。操作できるのはもちろん俺だけだ。
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