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「これ以上ここに居座る気でしたら……全員分の秘密を話す事になりますが……お付き合いしていただけるんですか?」
「……ひ、ひいぃいいっ!!!!!!」
「あ、てめえら、っくそ…!!!……てめえ、一体誰だよ!?そのふざけた変装をとけ!」
残ったわずかな不良達の中の一人がそう喚くが、それで変装外すくらいなら最初からこんなふざけた格好する訳ねぇだろ。
「……時雨葵。23歳。身長180㎝、体重72㎏。家族は……刑務所に服役中の」
「!!……く、くそっ!!!……覚えてろよっ……!!もし街中でてめえを見かけたら、八つ裂きにして殺してやる!!!」
それだけ言い残すと、ヤツらは一人残らず逃げていった。……バラされたら困る秘密がない人間は一人もいないのか。
まあ何はともあれ、無駄に動く事にならなくて少し安心した。今は通常通りに生活する程度で精一杯だ。乱闘騒ぎにでもなってたら……笑えねぇな。
「……オイ」
一刻も早くこの場から立ち去ろうと歩き出した時、背後から呼び止められた。
「……助けてくれた事、礼を言う。…………貴様、は……」
会長の顔を一瞥した後、また校舎に向けて歩き出した。
アイツらに変に勘繰られたりしたくねぇし、質問に答える義理はない。
後ろから珍しく静かについてくる真樹を伴って、校舎へ戻る足を早めた。
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