油断大敵

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中へ入り、邪魔な変装を取り去り息を深く吸う。 「……はー、ドキドキしたー……俺彰いなかったら多分ちびってた。…………てか、彰ってばどうやってあんなに情報調べたの?」 「秘密です」 「んんー…秘密と言われると余計気になる………まさか情報屋設定なのか……?」 俺があいつらの情報を知っていたのは、単に理事長に教えてもらっただけなんだけど、理事長との繋がりは他言できないし、言う必要もないだろう。 第一、一高校生の俺が調べて出てくる情報なんて秘密でも何でもない事だけだ。...だが、アイツらはそれを知らない。 誰だかわからない得体の知れないヤツが自分の誰にも明かしていないはずの秘密を知っている。それだけで恐れるには十分すぎるだろう。 「……にしてもさー、生徒会との絡みが無かったのは俺的に一番の残念ポイントかな」 「...絡みたくないから変装をしたんですけどね」 「ダメだろ彰!そんな消極的な考え方じゃ総受けへの道は遠退く一方だぞ!?」 「大いに結構です。願ってもない事じゃないですか」 「もー…そんな事ばっかり言って………照れ屋さんだなあ、彰ってば☆このぉ、彰のつ・ん・で・れ・ちゃんっ!」 そう言いながらハイテンションな真樹が俺を人差し指でツンツンとつつく。 ……今、もし俺が真樹をぶん殴って昏倒させても多分悪くない。
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