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~生徒会会計 藤堂陸side~
「あー、やっぱり誰かと食べるご飯は美味しいよなっ」
満足げにそう言いながら、俺の隣を上機嫌で歩く雪に目をやる。
陽の光に照らされた金髪や透けるような白い肌が、何つうか……眩しい。
雪が変装をといてから、雪が俺達といる事に対して不満を言うヤツはめっきり減った。
結局どいつもこいつも外見しか見てないって事だ。
この学園のヤツらに限らねえけど、そういう所マジで苛つく。
雪自身はあまり気にしてないみたいで、急に態度を変え馴れ馴れしくしてくるヤツらの事も受け入れているみたいだった。
雪は優しいからな。どんなヤツだろうと拒絶したりしない。……アイツとは違う。
「あ、陸、中庭行こう!怜の薔薇園があるんだろ?」
「……だけど、あそこは怜の個人所有の場所だから……俺達生徒会も怜に許可貰わないと入れない」
「平気だって!怜だって後でちゃんと言えばわかってくれるはずだ!行くぞ!」
「あ、オイ、雪っ…………ったく」
言い出したら聞かない雪が元気に走り出したのを見て、一抹の不安と得体の知れないもやもやを抱えながらも追いかけた。
そこでやめておけばよかったんだ。
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