害悪退治

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「会長……って事は、怜の友達か!?だったら何でこんな事するんだよ!?俺は怜の」 「気安く呼ぶなッッ!!!!!」 突然の夏宮の大声に、怯んだように雪が肩を一瞬揺らした。 「お前が……お前ごときが会長様のお名前を口にするな……!!!お前みたいな存在が気安く口に出していい名前じゃないんだ!!」 「なっ…………でも、俺は本当に友達なんだ……怜は俺によくしてくれるし、一緒に遊んだり、それに…………お前も、怜の知り合いなんだろ?だったら俺とも仲良くなろう!だから、名前を教えてくれないか?」 「………友達……?……聞いてはいたけど本当に痛々しいヤツだな……こんなヤツ、生きる価値はあるのかな?迷惑なだけじゃないのかな?……会長様も迷惑してるに決まってる…………許せない」 夏宮の嘲るような言葉の後、間髪入れずに物陰から数人の男達が出てきた。 「早くやって。……そうだな……まずは二度と会長様の前に現れられないように、その白い綺麗な顔を傷だらけにしてあげる。その不愉快な顔を赤く染めれば、少しは見られる顔になるかもね……?」 その言葉をきっかけに、男達がそれぞれの手に刃物らしき物を装備する。ナイフ、ハサミ、カッター……どれも危険度は十分だ。 「………陸様を巻き込んでしまい申し訳ありせん。……でも、陸様はコイツとは違い、会長様のご友人。だから手出しはさせません。ご安心を。……そのかわり、コイツが壊れて行く所を一番間近で見ていただきますが……ね」 夏宮の笑みがまた更に歪んだ気がした。
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