害悪退治

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「そうだったね……貴方はそういう人だ……自分以外の人間には興味を示さない……他人なんてまるでどうでもいい...って顔をして、平気で切り捨てるような人だ」 「それは貴方だって同じでしょう……夏宮さん……いえ、今は無き夏宮組の最期のご当主とお呼びした方がよろしいですか?」 鳴海が最後の方だけ小さな声で言ったから後半はよく聞こえなかったが、夏宮には聞こえたようだった。 その証拠に、夏宮の綺麗な笑みが崩れ、代わりに怒りを露にしたような表情が浮かんだ。 「……黙れ!!!……組と僕はもう関係なんかない!!」 「おやおや……刃物類を入手した経路は組繋がり、おまけにこの方達は組の人間でしょうに……よくそんな事を言えたものですね。笑わせてくれます」 「……利用できるものを利用して何が悪い」 「いえ……未だに組に囚われて……可哀想な人だと思いまして」 「っ………貴方だって……僕と同じ世界の人間じゃないか!!」 「そうですね……ですが、私は組には何の未練もない……貴方とは違って」 鳴海達の会話は聞こえないが、話すごとに声を荒らげていく夏宮に、夏宮が嫌がるような、そして俺達には聞かせられない話をしているのだと思った。 その時、俺の足元に何かが転がってきた。不審に思われないように恐る恐る確認してみると、それは小さなナイフだった。
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