第1話

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キーンコーンカーンコーン、、、。 あれ?いつの間に眠ってたんだろう。一時限目は終わっていた。 新しい環境で自分自身疲れてるのかなと思っていたけど、やっぱり最近疲れやすいというか、なんでだか眠くなる。 「また眠ってたのかよー!」 前の席は敦士。座ったまま斜めにのけ反って、ノート片手に呆れ顔で見られている。 「ほれ、世界史。お前苦手だろ?」 どうやらパタパタさせているノートを貸してくれるみたいだ。 「さんきゅ。けど、なんで苦手なの知ってるんだよ。」 「担任の山口が、新学期早々に言ってただろ?透くんは世界史だけがネックなんだよなー、って。あれ、クラスのやつらが見てる前で言うことじゃないよな。デリカシーねぇよ。」 「あー、そうなんだ。別に嫌いな訳じゃないんだけど、なぜか世界史苦手なんだよね。」 「あー、そうなんだ。、、、て、もしかしてその時も眠ってたのかよ?!」 「たぶんね。」 あんぐり口を開けてる敦士は置いといて、ノートをチェックする。意外とこいつ字が綺麗なんだよな。 「明日までに返せばいいよね?」 手をヒョイっと上げ合図して承諾。この気楽さも良いとこだよな、とふと思う。 授業、休み、授業、休み、授業、昼飯。繰り返して、部活。 「一日って短いよな。」 「俺、透の発言にいちいち精神年齢を感じちゃってますよ。」 「冷めてるって、素直にいっていいよ。そういうの気にしないから。」 「うわー、お母さんこの人こわーい。」 バスケ部の部室、練習着から制服に着替え直して下校の準備をする。汗臭いんだら、ジャージのまま帰らせてくれよって思うけど、校則だから仕方ない。 明日は日曜日か、アパートも片付いたし、出掛けたりしてみようかな。
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