第四回

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それから、舞がホールについての説明をキッチリしてくれる。 もっとも、他の飲食店、しかも居酒屋で働いていたことから、すぐに覚えた。 慣れればこっちのもの。 スイスイと仕事をこなして行く。 優子を知らない他のバイト仲間は、その仕事ぶりにおっかなびっくり。 見た目から言えば、完全に何もできない妹キャラでもおかしくない。 だが、現実を見ればどうだ。 仕事っぷりは先輩をも凌駕し、甘えなんか当然ない、想像とは真逆のクールな顔。 こんなにギャップのある子、多分この職場では誰も見たことがないだろう。 将生「舞ちゃん、あんなにできる子、どこで知ったの?」 舞「中学校から。 あの子、器用だからね~。 なんでもできちゃうのよ。」 将生「へぇー・・・お前とは大違い。」 舞は、無言で将生の足を踏みつけ、何事もなかったかのように仕事へ戻る。 将生「痛あ!! 冗談なのに・・・」 将生も、仕事へと戻っていく。 仕事終わりは、12時になる。 仕事が終わると、ワイワイしながらまかないを囲んで飯を食べる。 優子も、食べてはいるが、無言で食べ、毎回無言で帰るか、舞が話しかければ舞と話すぐらい、無口だ。 将生は将生で、女の子に囲まれながら飯をそそる。 ハーレムができるぐらい、将生は人気だった。 背も高く、黒肌でイケメン、さらには頭の回転がよく、機転が効く。 頼りにされている。 舞「優子、将生先輩、やっぱりかっこいいよね!」 優子「え?あ、うん、まあ。」 優子は、自分とは縁のない人だな、と思いつつも、舞の返事をする。 たしかに、かっこいいし、なかなかいい人だと思う。 だけど、それ以上にかっこいい人を自分は知っていたから、興味が湧かない。 ただそれだけ。 優子「じゃ、さきいくね~」 舞「おつかれ~」 毎日、同じことの繰り返し。 朝起きて大学へ行き、講義を受け、帰ってはバイトをし、終われば飯を食って帰る。 優子の仕事の範囲も、ついにキッチンへと領域を移す。 なんでもできる頼れる人に、優子がなっていく。 将生も、バイトリーダーとして、こんなできる子が入ってきたことには感謝しているが、どこか気になる部分が一つあったのだ。
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