第四回

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2人は、ひたすらチャンスをうかがうのみ。 その時は、すぐに来た。 優子がすっと立ち上がる。 舞「どこへ行くの?」 優子「ジュース取ってくる。」 これは、来た!! 舞と将生が目線をあわせ、うん、とうなずく。 舞「あ、優子、座っといて!! 私、取ってくるから!!」 そういって、強引に優子を座らせた。 そして、舞は懐に隠していたあるものを、オレンジジュースの中に入れた。 それを、優子に差し出した。 舞「とってきたよー」 そういって差し出したのは、オレンジジュースなのはオレンジジュースなのだが・・・・・ 優子「舞、これ、オレンジジュースにしては、ちょっと色がくすんでない?」 舞「え? そうかな? まあまあ、のみなのみな^^」 優子は怪しみながら飲んでみる。 すると、優子の顔が一瞬で赤くなり、目も虚ろになってくる。 優子「あれ・・・? 身体が熱いし・・・ 気分も良くなってきたよぉー?」 2人でガッツポーズをした。 舞は、知っていた。 優子が酔いやすい上に、一度酔うと性格が真逆になり、急に甘えん坊になることを。 それを知った将生は、酔わせて本音を吐かせようとした。 ちなみに、入れたのはカシス。 確かにお酒のアルコール度数は低いものの、それでも酔う。 こうなってはこっちのもの。 優子が、みんなに急に甘え始める。 顔を近づけては、 優子「バイトの皆が、好きやっちゃ!」 とかいいながら、甘えまくる。 将生は、目の前で繰り広げられる事柄に唖然としながらも、自分もお酒を浴びながら話をしにいく。 将生「優子ぉー、なんで今までそんなにからまなかったんだぁー?? 別に、やめてお別れするわけでもあるまいしぃ~。」 優子は、それを聞いた途端に、急に黙りこくって、それから、また急に泣きはじめた。 ある単語を叫びながら。 それを聞いた舞は、凍りついた。 将生は、その単語を聞いただけでは、何が何だかわからないと言った表情だった。 舞「ねぇ、優子、お兄さんが、どうしたの??」 恐る恐る、探りながら聞いてみる。 だが、ただその単語を叫びながら、泣き騒ぐだけだった。 将生と舞は、一旦席を外し、優子が急にあの単語を叫びながら泣き騒ぐのか、重い空気で話し合った。
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