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副リーダー的なやつが、優子の前に出てきた。
??「どうやら、あんたもやられたいみたいだね・・・」
だが、優子の眼光が、それすらをも許さなかった。
その頃から、優子には特別なオーラが宿っていたのかもしれない。
その眼光をみたイジメグループは、少しずつ後ずさりを始める。
??「お前、これからどうなっても知らないからな・・・」
だが、完全にびびっていた。
目が、キョロキョロと焦点を定めずに動いていた。
そのあと、グループはすぐに自分の席へと戻っていった。
私は、よろけながらも立ち上がり、なんとかお礼を言った。
舞「芹沢さん、ありがとうございます・・・」
優子は、相変わらずのそっけない態度で返事をした。
優子「んー、ただうるさかっただけだから。じゃ。」
それから、すぐにスタスタと自分の席に戻って行き、再び雑誌を読み始めた。
それから、まだイジメは多少はあったものの、その度に優子の視線が刺さっては退散するということが多々あり、なんとか1学年は凌いだ。
だから優子とは仲良くなった、ていうわけでもなく、仲良くなったのはもう少し後、2年生に上がってからだった。
イジメはなくなったが、学校では相変わらず独りぼっちだった私。
2年生になって、クラスを見渡していた。
すると、あの光景が目に映った。
雑誌を持ち歩き、机でじっと眺めている、小さな子。
そう、優子だった。
私は、あの時のお礼と、友達を一人ぐらい作りたいという意思に従い、優子の近くへと寄って行った。
雑誌を、まずそーっと見ていた。
雑誌の内容に、当時の私はビックリした。
だって、いかつい車が、たくさん載っていたのだから。
こんな少女が、おっさんみたいな趣味をしてるとは、と思ったが、私はうまく話しかけてみた。
舞「芹沢さん、いつもそれ読んでるけど、楽しい?」
優子の態度は相変わらずだった。
優子「ん?
なんか悪い?」
あの眼光を見てしまったが、私は怯まない。
怯んだら、一生友達が作れないような気がしてならなかったから。
舞「いやさ、いつも読んでるからつい気になって・・・」
優子は、段々イラついてきている様子だった。
優子「それだけ?
ならあっち行っていてもらえますか?」
私は、あの時のお礼がしたい。
舞「よかったらさ、あの時のお礼がしたいからさ、一緒に何処かで遊びませんか?」
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