第二回

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副リーダー的なやつが、優子の前に出てきた。 ??「どうやら、あんたもやられたいみたいだね・・・」 だが、優子の眼光が、それすらをも許さなかった。 その頃から、優子には特別なオーラが宿っていたのかもしれない。 その眼光をみたイジメグループは、少しずつ後ずさりを始める。 ??「お前、これからどうなっても知らないからな・・・」 だが、完全にびびっていた。 目が、キョロキョロと焦点を定めずに動いていた。 そのあと、グループはすぐに自分の席へと戻っていった。 私は、よろけながらも立ち上がり、なんとかお礼を言った。 舞「芹沢さん、ありがとうございます・・・」 優子は、相変わらずのそっけない態度で返事をした。 優子「んー、ただうるさかっただけだから。じゃ。」 それから、すぐにスタスタと自分の席に戻って行き、再び雑誌を読み始めた。 それから、まだイジメは多少はあったものの、その度に優子の視線が刺さっては退散するということが多々あり、なんとか1学年は凌いだ。 だから優子とは仲良くなった、ていうわけでもなく、仲良くなったのはもう少し後、2年生に上がってからだった。 イジメはなくなったが、学校では相変わらず独りぼっちだった私。 2年生になって、クラスを見渡していた。 すると、あの光景が目に映った。 雑誌を持ち歩き、机でじっと眺めている、小さな子。 そう、優子だった。 私は、あの時のお礼と、友達を一人ぐらい作りたいという意思に従い、優子の近くへと寄って行った。 雑誌を、まずそーっと見ていた。 雑誌の内容に、当時の私はビックリした。 だって、いかつい車が、たくさん載っていたのだから。 こんな少女が、おっさんみたいな趣味をしてるとは、と思ったが、私はうまく話しかけてみた。 舞「芹沢さん、いつもそれ読んでるけど、楽しい?」 優子の態度は相変わらずだった。 優子「ん? なんか悪い?」 あの眼光を見てしまったが、私は怯まない。 怯んだら、一生友達が作れないような気がしてならなかったから。 舞「いやさ、いつも読んでるからつい気になって・・・」 優子は、段々イラついてきている様子だった。 優子「それだけ? ならあっち行っていてもらえますか?」 私は、あの時のお礼がしたい。 舞「よかったらさ、あの時のお礼がしたいからさ、一緒に何処かで遊びませんか?」
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