第二回

5/6
前へ
/28ページ
次へ
ごくり。 唾を飲み込む私。 返事は・・・ 優子「あの時の? あぁ、あれは気にしなくていいからさ。 遊びなら別にいいけど。」 私は歓喜した。 優子「で、いついくの?」 私は、歓喜に浸っているのを改め、予定を決め直した。 舞「じゃあさ、来週の土曜日とか、どう?」 優子「あ、だめ。 兄貴とレース見に行くから。 そーだ、よかったら一緒に行く?」 私は、 とりあえず優子と一緒にいたくて、それを承諾した。 当日・・・ 指定された場所にまずは行って見た。 その場所は、あの有名なサーキットだった。 遅れて、優子がやってくる。 男性を連れて。 優子「待った? お兄が準備遅いからいけないんだよ!!」 蓮「バカ!お前が私服選びに時間かけてたからだろ!! 初めて友達と遊ぶっていうから気合入れてるつもりだろうけど、ダサいから!!」 舞は、その会話に入っていけない。 なんとか割って入ろうとする。 舞「まあまあ、その人を紹介してくれる?」 優子がこっちに向き、兄を紹介する。 優子「あ、この人が私の自慢の兄貴、芹沢蓮です。」 蓮は、眼鏡を整えながら、自己紹介する。 蓮「あ、優子がお世話になってます。 一応、今高1かな? まあ、よろしく。」 正直、イケメンすぎる。 優子が自慢の兄だと紹介するわけも分かる。 話した感じもきさくだし、なによりも爽やか。 いつもクールな優子が、こんなに甘えん坊に変貌するのもわかる。 優子「ん?相模さん? どうしたの?」 舞「あ、なんでもないなんでもない!」 蓮「じゃあ、行きますか!!」 そうして、私達はゲートへと入って行く。 その光景は、私にとっては狂気の沙汰だった。 車が猛スピードで横になったまま滑って行く。 優子と蓮は、それを見てヒューヒューと、歓声を挙げている。 とりあえずは乗っかってみたが、私はどうにもこうにもわからなかった。 優子「どう?このエグゾーストの音! お兄サイコーだよ!! ほら、相模さんも、盛り上がらなきゃ!!」 と、私を誘う優子。 とりあえず、心臓に悪かった。 まあ、そんなこんなで、この新鮮な一日を終えた。 電車の帰り道で、蓮さんは寝てしまったため、実質の2人きりになった。 優子「ごめんね、こんなことに付き合わせちゃってさ。」 舞「うんうん、なんか、別の芹沢さんの顔が見れて、ホッとした。 だって、あんなに仏頂面して学校にいるんだもん。」
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加