悪魔の法則

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部屋の前でバッグを開く…… 彼は私の指先に注目している。 誰かに見られることが、こんなにも恥ずかしいものだと初めて知った。 彼の視線を感じながら、バッグの中を引っ掻き回して目的のモノを必死に探した。 その瞬間、 ―――ガサガサッ! とバッグの中身が溢れ出た。 部屋の前に散らばったお財布に化粧ポーチ。 定期入れに携帯と、お目当ての自宅の鍵が付いたキーホルダー。 そして……正方形の包み。 「お姉さん落ち着きましょ? 時間は逃げませんから」 彼は私の慌てぶりを見ながら笑みを浮かべた後、すぐにしゃがみ込んで落ちたものを拾い始めた。 私も一緒に拾った。 そして彼は全部拾い終えると、玄関のドアを開けて先に入っていった。 でも何故か鍵と正方形の包みだけは、返してくれなかった。 ……彼の思惑が分からない。 だから私もすぐ部屋に入った。
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