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もしかして、今の聞かれた?!
私はあまりに驚いて顔を赤くする。
盗み聞きした彼に反発したいのにうまく言葉が出てこない。
そしてうまく言葉がまとまらない。
……知らずの間、心の叫びを声に出してたんだと気がつく。
「お姉さんは、真面目ですね」
と言った彼が歩みを進めてきた。
「っ……入ってこないでよぉっ!」
そこでやっと搾り出した声。
けどその言葉は、本当に言いたい言葉ではなかった。
彼は私の言葉を無視して、すぐ目の前までやって来た。
思わず座ったまま後ろへ下がった……のに、彼は何食わぬ顔してまた距離を縮めてきた。
そのまま彼は澄んだブルーの瞳で、私を見つめてくる。
長い前髪から、時折見え隠れする瞳に思わず息を呑み込んだ。
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