バレンタインデーの悪夢

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それから私は、温めなおしたカレーを口に運びながら朝ごはんという名の昼ごはんを食した。 早い話、朝食と昼食が一緒になってしまっただけ。 ……理紗は今日も帰りが遅いのかしら? そんな心配をしながら、そろそろ自分も支度をしなければいけない時間になっていることに気がついた。 ―――… ……数十分後。 すぐ支度を終えた私は、チョコを手にして木綿先輩のアパートへ来ていた。 私はこの日、木綿先輩と会う約束をしていた。 特に時間設定はされていない。 ただ“午後に遊びに来いよ” そう言われたのだ。 自分のアパートと作りが似ている木綿先輩と森さんのアパート。 その外壁を見つめながら、1度深呼吸をした。 心臓を落ち着かせた後、階段を上り始める。 アパートの作りも似ていて同じ階に住んでいて、部屋もほぼ同じ間取りだ。 ……なので、いつも思うけど、自分の家に来た錯覚に落ちてしまいそうなアパートだったりする。 ――コンコンッ!
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