バレンタインデーの悪夢

6/12
前へ
/36ページ
次へ
でも森さんと2人きりという気まずさから、木綿先輩の部屋で待たせてもらうことにした。 木綿先輩の部屋なら、不安がどこかに消えてなくなる気がしたのだ。 ……だけどそれは束の間だった。 ――ガチャッ! と音とともに、すぐに森さんがこの部屋に入って来たんだ。 さっきと同じく上半身ハダカで、目は虚ろだ。 「理ー香ちゃん!」 森さんはヘラヘラと笑いながら、不気味に私の名を呼んできた。 その瞬間、何故か分からないんだけど、自分の中で危険信号が鳴り響いた……。 「やっぱり私っ、出直して来ますっっ!!」 と言って、ベッドの上に腰を下ろしていた私はすぐに立ち上がった。 けどドアの前で森さんが立ち塞がって、ドアから出られなかった。 「理香ちゃんってかなり純情そうだけど、木綿とはもうヤッちゃったかな?」
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

184人が本棚に入れています
本棚に追加