バレンタインデーの悪夢

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その言葉に、沸騰したヤカンのように赤くなってしまう私。 この人は何て質問をしてくるんだろう…… それにそんなこと、答える義務もない。 「森さん、海さんと約束があるんですよね?」 「あーアレ? あれは嘘だよ。約束は夜なんだわ、だから時間はたっぷりあるってこと!」 相変わらず森さんはヘラヘラと笑っている。 その焦点の定まらない目を、無理やり合わせてきた。 ……心の奥底、恐怖心が込み上げてくる。 「もしかして理香ちゃんって、処女なのかなぁ? 俺さ、処女って好みなんだよね」 「っ!」 何なの、この人! 正気じゃないわ!! 私は森さんの間を潜って、無理やり部屋の外へ出ようと試みる。 だけど森さんの手が伸びて来て、私の身体を抑え込む。 ……身動きを失ってしまった。
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