宣告

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翌日、早速MRIを撮った。 昨日は、彼女に電話し、親にも元気付けられ、どんな診断でもかかって来いと、腹はくくってきた。 でも、なんでもないと淡い期待を抱く。 34ミリの腫瘍の周りには、視神経と絡み合った良性腫瘍だった。 「本当に、今まで頭痛がしたり、力が入らないなど、体に変化はなかったのですか? 今、あなたが五体満足でいる事に感謝をしてください。 出血の規模や腫瘍の大きさから考えると、奇跡的だと思います。」 出血してたのか。 不幸だと思ってたら、そうでもないんか。 逆に強運なのか。 だったら、この先も大丈夫だ。 「ただし…」 鼓動が一気に高まる。 とんでもないこと言われるんだろう。 淡い期待も、吹き飛んだ。
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