がん患者との出会い #2

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がん患者との出会い #2

その時、ふと気付くと光太郎まで泣いていた。 「光太郎。なんで光太郎も泣いてるの?」 と私が聞くと、 「だって、みんな泣いてるんだもん。 なんで泣いてるの?」 という光太郎の泣き顔に、大人3人クスクス笑い出した。 そして、お父さんが、「やっぱこうでなくっちゃ。 いくら辛くたって、僕達家族の心は、こんなに健康なんだね。 笑って乗り越えるよ。 この子達の未来のために、家族4人手を取り合って…」 と、お父さんが手を集め、重ね合わせた。 そして、なぜか私の手を取り重ね、最後にお父さんの手を乗せた。 「なんで、私まで!」 「いいから、いいから。 みんな、この手の温もり忘れるんじゃないよ。 これが、家族なんだ。 だから、みんな仲良く、元気よく、そして何より明るく頑張るんだぞ。」 と、まるで自分で自分に言い聞かせるように… 光太郎にも、意味が分からなくても、温もりは十分伝わっただろう。 私は、冬空の帰り道を、手に残る温もりを噛み締めながら歩いた。 人の温もりを大切に生きたいと考えながら…
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