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目を開ける。
星空が見える。
横を見る。
少し暗いが、芝生が見えた。
身体を起こす。
彼の見ている世界に、終わりはなかった。
何処までも続いている星空はまるで硝子細工のよう。
何処までも続いている芝生はまるで赤子を抱く母親の愛の様に心地良いものだった。
そこで彼はふと思った。
「此処は何処なのだろう。」
考えた。
考えてもわからなかった。
だから考えるのをやめた。
再び彼は思った。
「僕は何故此処にいるのだろう。」
また考えて見た。
わからない。
答えは一向に出てこない。
彼は考えるのをやめる。
もう何も思い浮かばない。
何も思わない。
もう一回彼はしっかりとこの美しい風景を目に焼き付けて、
目を閉じた。
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