第1話

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「あのさ…頼みがあるんだけどね」 小声で佐伯が話し掛ける 「何でしょう…無理な事じゃなければ」 「君が奢るって話だけど、次の機会にしてくれないかな。此処で君が払うと格好悪い」 憎めないオトコ…ついつられてしまう 「それじゃ…この後付き合ってくださいよ。次は私のテリトリーで…」 微笑みながら頷く かけ引きにもなっていない 多分このオトコは 私が惹かれかけている事も充分わかっている 自分の馴染みの店へ連れて来たのも 深い意味はないかも知れない 余裕がある… その余裕が心地よすぎる
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