第1話

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続けざまに二度の会話… 何故だか挑発的な言葉を投げている 少し失礼だったかな、と思う 三度目の会話は雨だった… 会社のエントランスで 広く大きな肩幅が立ち竦んでいた 「酷い降りだなぁ…」 呑気そうに私に呟いた またあの香りが微かに漂う 「入りますか?目の前までですけどね」 「今日はもう上がりなんだ。この後は予定ある?」 失礼だったかな…そんな風に思っていた後 誰かと話したい気分でもあった 「いえ、特には…食事でも奢りましょうか?」 「君が僕に?そんな事を言われたのは初めてだ」 私だって初めてだ…口を突いたのだから仕方ない 「そうです…そんな気分なんです」 佐久間は私の傘を自分で開き私を引き寄せた
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