波乱のダブルデート

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……そう思って再び彼に目を向けると、彼は何事もなかったように理紗に笑顔を向けていた。 理紗も潤んだ瞳をそんな彼に向けて、2人は目で会話をしていた。 ……やっぱり見間違いだったのかしら? 「それにしてもこの玉子焼きは美味いなぁ! あッ、こっちの鳥そぼろのおにぎりも最高じゃないか!!」 木綿先輩は今日一日、こんな調子でみんなの機嫌をとっている。 でも理紗が作ったということにしても、そんな風に褒められるとやっぱり嬉しいものだ。 ……少し顔が綻んでくる。 特に鳥そぼろは、事前に香織からレシピを聞いて頑張って煮込んでいたし。 玉子焼きだって得意料理の1つなのだ。 それから唐揚げもほうれん草のお浸しも、コロッケだって手作りだもの。
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