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この場に取り残された私と木綿先輩と理紗。
当然理紗の顔は怒っていて、そのとばっちりを私に向けてきた。
「お姉ちゃんっ! 普通の料理じゃなくて、きちんと美味しいお弁当作ってよねっ!! ほんと役立たずなんだからっっ!!!」
彼女はそう言うと、桐原君の後を追いかけていなくなった。
そして木綿先輩と2人きりにされた私。
気まずい空気が流れる訳で、その堪えきれないような感情に胸が痛くなった。
「理香そう落ち込むなって! これ全部俺が食うからさ! それにやっぱり弁当、理香が作ったんだな? 普通に美味いぞ? っていうかすぐに気がついてやれなくて、悪かったな……」
「いいんです。自信がなかったのも事実ですから」
この時、木綿先輩の言葉にどれだけ救われただろう。
誰かにこんな風にフォローされなかったら、もっと凹んでいたことだろう。
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