175人が本棚に入れています
本棚に追加
2人の行方を捜していると、何かを発見したような木綿先輩の声で振り返った。
そこにはお化け屋敷に入っていく2人の姿があったのだ。
お、お、お、お化け屋敷?
「木綿先輩、出てくるの待っていた方がいいんじゃないでしょうか?」
私が1つ提案を出すと、木綿先輩は首を左右に振った。
「そうだけど、お化け屋敷も入ってみたかったりして……」
何をこの期に及んで、遊園地を楽しんでる場合じゃないのでは?
そう思ってたのに腕を引っ張られて、気がついた時には暗闇の世界に……足を踏み入れていたのだった。
何も見えないただ真っ暗いだけの世界。
前も右も左も、……何も見えない。
頬を刺してくる張り詰めた空気と、気持ち悪い音楽。
背筋が凍るような感触にゾッと身を縮こまらせる。
「――木綿先輩、居ますよね?」
最初のコメントを投稿しよう!