175人が本棚に入れています
本棚に追加
そういえば、もう3時を回るところだ。
ノンストップでアトラクションに乗り続けてたのかと思うと、少しゾッとした。
まぁ待ち時間もそれなりにあったんだけど、それより人にお弁当を作らせておいて、それはないんじゃない?
理紗、いつお弁当を食べるのよ?
紙袋の中で4人分のお弁当が、誰かの胃袋に収まるのを寂しく待っている気がした。
私の意見なんか受け入れてもらえるはずもなく、目の前から煙のように消えてしまった3人。
その残像を目で追っていたけど、すぐ見えなくなっていた。
「いいわよ! 1人で全部食べてやるんだからっ」
そんなひとりごとを呟いて、同時にため息を吐いた。
“ランチタイム”
その時間から程遠くなった時間に、心の中にぽっかりと穴が空いたようだった。
そこで、ふと彼の言葉を思い出した。
“――それが嫌なら、逃がしてあげますから”
最初のコメントを投稿しよう!