自己嫌悪

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「篤くんにもすっごく迷惑かけちゃったね。昨日、呑み過ぎちゃってたからなー」  過剰に反応する心臓を隠すように平静を装いつつ、さり気なく酔っ払っていたことをアピール。  時間が経ちお酒が抜けると余計に昨日の自分が信じられない。  眠いからといってこの私が他人に肩を借り、寄り添うような真似、考えただけでも顔から火が吹き出しそうだ。 「昨日の文美、メッチャ可愛かったよねー」  隠しきれていたと思っていた私の"照れ"が隠しきれていなかったのか、理恵が嫌な笑みを浮かべ茶化しだす。 「うん、私も思った!文美にあんな一面があるなんて知らなかった」  亜希子までも理恵の言葉に相づちを打ちニマニマと見てきた。  ここで変に言い返したり、過剰な反応を見せたら2人の思う壺。 「そう?何か呑み過ぎて寄りかかるところが欲しかっただけなんだけど」  私は自分でも可愛げないな、と思いながら冷静に淡々とした口調で返すと 「反応薄っ、つまんないのー」  理恵が予想通りの反応を見せた。 .
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