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「つまんないって……。それより正志くんを介して篤くんに謝っておいてよ」
本当なら直接謝りたいが、今ここで興味を示すようなことを言えば、また何を言われるか分からない。
どうも私たちをくっつけたいのか、それともただ単に面白がっているだけなのか。
まぁ、どっちにしても私には面白くないことに違いない。
「えー、やだよ。面倒くさい」
理恵ならアッサリと了承してくれると思っていたのに返ってきた言葉は予想外なものだった。
その言葉に耳を疑い目をパチパチさせていると隣で亜希子が理恵を肘で小突き、何やら合図しだす。
理恵は楽しそうに含み笑いを見せながら近くにあったカバンを探り出す。
そして中から紙ナプキンを取り出し
「これ、篤くんから預かってたの。心配だから一応って……」
もう私には見なくてもソレが何なのか予測はできていた。
驚きと嬉しさに自然と胸が高鳴りはじめ、私は素直に手を差し伸べる。
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