自己嫌悪

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 でも、掴んだ!って思ったのに、私の手には何も掴まれていない。  ―――ヤられた。  そう思った時には、時すでに遅し状態。  私の反応に理恵たちは不敵な笑みを見せていた。 「やっぱり篤くんのこと気になるのんじゃない」  言われることは分かっていた私は素早く切り返す。 「気になってるとかじゃなくて理恵たちが直接言えって言ったからでしょ?理恵が伝えてくれるなら私は別にいらないし」  強がりだった。  本当はすごく欲しくて……すごく知りたかった。  でも理恵たちに、どうしてもそんな風には思われたくはなかったのだ。 「なーんだ、面白くないの。はい、これ」  私の反応に理恵はつまらなさそうに溢し、パッと紙を私の目の前で離した。 .
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