自己嫌悪

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 あれからもう最悪でトイレに駆け込むと同時に私は胃の中のものをすべて出しきったんじゃないかってくらい吐きまくった。  さすがに篤くんは女子トイレに入ることもできず、亜希子がずっと付き添っててくれた。  吐いたら多少胃はスッキリするものの口の中は最悪でテンションは下がりまくり。  溜まっていた酔いが一気に襲ってきて頭がグルグル回りだす。  寝転ぶとまた吐き気を催しそうで、結局また篤くんの肩を借りることとなった。  さすがにもう冷やかす人は誰一人いなくなり、内心助かったなと思ってしまった。  吐いたのは学生以来で社会人になってからは初めてで恥ずかしさと情けなさを感じてしまった。  吐いたせいでずっと鼻先に異臭が漂い、それが篤くんにも漂っているんじゃないかと気が気ではなかった。  さり気なく距離をとろうとしたが、すぐに引き戻される始末。  私の考えなんてお見通しで「気にしないで大人しく寝とけ」と優しい言葉をくれた。  酔ってるせいかな?  それとも久しぶりに男の人に優しくされたせいかな?  すごく心地いいのに心がざわつき、胸に締め付けるような苦しみを与えてきた。 .
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