止められない想い

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 昨日の晩、"今度は遅れないように"と念を押しておいたから篤くんも今日はちゃんと遅れずに来るはず。  そう思うと余計に胸が高鳴り緊張が高まる。 「文美の方が緊張してんじゃないの?」  言われて無意識のうちに緊張で顔が強張ってしまっていたことに気づく。 「理恵のうつったんだよ。らしくないくらいにガッチガチに緊張してんだもん」  自分の緊張を誤魔化すためにワザと理恵を茶化しおどけてみせる。 「緊張もするよ。様子見てだけど今日、告白するつもりできてるんだもん」  珍しく消極的だと思っていたが、やっぱり私とは違う人種だなと思った。  今までの経験上、自分からキチンと告白して付き合った人はいない。  だからと言って別にモテるとかではなく、いつも友達の延長上とか気づいたらそんな感じだったってだけ。  自分から言うのは性格上無理だとしても言われたら、すごく嬉しいだろうな……  不意に横切る篤くんの顔に驚き慌てて振り切るが、それでも尚、鼓動だけはしつこいくらいに速鳴り続ける。 「よし!行こう」  勢いづけるように言うと理恵は私よりも先に化粧室を出て行ってしまった。 .
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