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緊張する私とは正反対で普通の篤くん。
これが気持ちの差なのかな?と思うと気持ちが落ちそうになる。
でも会えた嬉しさは想像以上で、さっきから私の鼓動は高鳴りっぱなし。
今でもこうして目の前に居るのが信じられない。
彼女が居るって分かった時点で、もう会うことはないのかな?って諦めていた部分があったから。
私も本来なら彼女が居る相手に下心というか、こんな気持ちの相手に会うことはない。
会えば会うほど後から辛くなると分かっていても会いたいって初めて思った人だった。
お酒が進むにつれ会話も弾み、気づくと緊張も取れ普通に会話を楽しんでいた。
でも私の気持ちを折るように急に震え鳴り出す携帯に篤くんの表情が変わる。
着信音を聞いただけで分かる相手---彼女なんだとすぐに分かった。
私がしているように篤くんも彼女用の着信音があるのだと知った。
メールとは違い鳴り止まない携帯に、それが電話だと分かる。
「出ないの?」
本当は出て欲しくないのに強がって自ら話題を振ってしまう私の嫌な性格。
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