止められない想い

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「ごめん。やっぱりちょっと電話してくる」    光震える携帯を手に持ちながら私に軽く手を合わせ席を立つと足早に店の外へと出て行ってしまった。 「美奈さんかな……」  さっきまで理恵との会話に夢中で私たちの会話になんて何の興味も示していなかった正志くんが急にポツリと呟く。 「そうみたいだね」  答える私を正志くんは可哀想な人を見るような目で私を見てくる。  ---まるで私の気持ちがバレてしまっているかのように。 「さっきから鳴ってたみたいだけど全然でないんだもん。出ればいいのにね」  内心かなり動揺しつつ私は平静を装い呆れたように笑ってみせる。  私の言葉に「ふーん」とどこか納得したように頷きながら振り返り、窓の外に視線を移す。  正志くんの目線を追うように私も窓の外に視線を移すとこちらに背中を向けて電話をする篤くんの姿が見えた。  彼女と何話してるのかな?と気になりながら寂しさを感じていると正志くんが意味深な言葉を溢した。 「また喧嘩でもしたのかな……」 .
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