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「どうした?また眠くなったのか?」
急に上から少し茶化すような声が降ってきた。
気持ちが落ちてしまっていたせいか無意識のうちに俯いてしまっていた。
一瞬、気持ちを切り替えるように目をギュッと瞑り、顔を上げたと同時に笑って返す。
「今日はそんなに呑んでないよ。次何呑もうか悩んでいただけ」
強がりな私。
本当は今の今まで泣きそうになっていたくせに笑っている。
今の私は篤くんの前で泣いちゃ駄目だから……
泣いちゃったら今までの事がすべて無くなっちゃうから……
篤くんの傍に居るためには辛くても私は強く笑っていなくてはいけない。
無理してでも傍に居たいって……
繋がって居たいって……
初めて想った相手---こんな気持ちが私にあるなんて今まで知らなかった。
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