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駄目だって分かっていながらも私の指は想いとは裏腹に動き出す。
『ちょっと元気じゃないかも……』
気づくと意味ありげな自分らしくない文字を打ち、送信してしまっていた。
これを見て篤くんは何て思う?
私のこと少しは心配してくれる?
他人に弱い部分を見せるのが嫌いな私。
こんなこと他人の気持ちを探るような……
ワザと揺さぶるようなことはしたことがなかったのに……
---どうしてだろう。
何の躊躇いもなく私は篤くんに弱さを見せてしまう。
ううん---多分、篤くんには私の弱さも知って欲しいって思っているんだ。
私は携帯を閉じ胸のところで握りしめながら篤くんがどんなメールを返してくれるのか怖さ半分、期待半分で待った。
全神経が携帯に集まり、心音が胸のところにある携帯にまで響くように振動しているように感じる。
---お願い!!
何を祈っているのかも自分でも分からないが思わず心の中で叫んでいた。
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